大気と海のフロンティア

気象学の研究を行っている大学院生が様々な「フロンティア」に進むためのブログ

気象学会で得たもの

 11月16〜18日に名古屋大学日本気象学会2011年度秋季大会が開催されました.気象学会参加はこれで3回目になりますが,今回は特に得たものの大きな学会でした.


・研究の楽しみ
 どのセッションも良かったのですが,3日目の大気海洋相互作用セッションは,自分の研究と関連していることもあり,特に面白かったです.最初に,大気海洋相互作用の全体的な話しがあり,それから,若い人を含め,様々な人が研究発表を行いました.どれも,興味深いもので特に,発表者自身の研究すること,それを発表することがとても楽しいという気持ちが伝わってきました.その影響か,会場全体も熱い空気に包まれているようでした.自分も聞いているだけでしたが,熱っぽい感じになりました.

※以下の動画は,発表者本人に承諾をとり,公開されているものです.

・茂木耕作さん(JAMSTEC/RIGC) 「海洋混合層変動が決める東シナ海上の梅雨前線の季節進行」

・万田敦昌さん(長大水産環境) 「黄海・東シナ海における海洋混合層の水温の季節変動」

・三井 拓さん(長大水産環境) 「初夏の東シナ海黒潮流域の海水温鉛直構造」

・佐藤和敏さん(弘前大院理工) 「黒潮が梅雨前線に及ぼす影響 〜5月の観測事例〜」

 これほど,発表を聞いていて興奮したのは久しぶりでした.このような素晴らしい発表を聞けたこと,その会場にいたこと,そして,自分もこの研究の一部に加わることができた幸せを感じていました.
 次回は,聞くだけでなく発表にも挑戦しようと思います.


・人との交流
 初めて学会に参加したときは,他大学・研究機関の方と面識がほとんどなかったので,周りの人を特に意識したことはありませんでした.しかし,様々な研究集会・観測などを通じて外部の方と知り合う機会が増えて,学会中にその方たちと会いました.ちょっとした話しをしたり,食事をしたりと交流を楽しむことができました.
 気象学会は,多くの人が参加するので,意識しにくかったのですが,「研究の交流の場」だと当たり前のことを意識することができました.そう意識すると,学会に行けば発表を楽しむだけでなく,あの人に会って交流できるという楽しみが増えました.


・新たな研究
 ポスターセッションで北極海の乱流熱フラックスをJAMSTECの「みらい」の観測データから間接推定したものと再解析データから見積もったものの比較の研究がありました.自分の研究に近く興味があったので,話しを聞いているうちに,乱流熱フラックスを直接計算するために必要な超音波風速計データも存在することが分かりました.ぜひ,そのデータを解析したいと伝えたところ,数日後にはデータ入手の手配をしていただき,その関連論文や資料なども送っていただきました.
 私の研究は,三重大学練習船「勢水丸」に常備されている超音波風速計を使って,海面の乱流フラックスを直接測定することです.超音波風速計が常備されている船は国内に2隻しかなく,それが「勢水丸」と「みらい」です.ですので,非常に貴重なデータを入手することができました.直接観測した乱流フラックスが,間接推定したもの,再解析データなどと比較してどのようになっているか非常に興味があります.
 現在,データは手元に届き,すぐにでも解析を始めることができます.基本的なことは今までの方法と同じなので,少しずつ進めていきたいと考えています.

 自分の研究に必要なものは自分で行動して入手するという研究の基本を実践できたと思います(今回は,実際の手配はしていませんが).誰かに言われてする研究は,本当の意味の研究ではないし,長続きしないと思います.自分が主体的に決めた研究テーマなら,たくさんあって忙しくても楽しいので,解析するのが楽しみです.今後,この研究の経過についても,随時ブログにアップする予定です.


 このように,3日間の学会を通じて大切なものを得ることができました.今後も研究会,学会に参加する予定ですが,その度に新たな発見をしていきたいと思います.