大気と海のフロンティア

気象学の研究を行っている大学院生が様々な「フロンティア」に進むためのブログ

気象学会@名大

10/26~28に名古屋大学で開催された日本気象学会2016年度秋季大会に参加しました.

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スペシャルセッション「気候形成の統合的理解―気候科学における基礎研究の推進と地学・地理教育との連携―」がありました.
前月の海洋学会秋季大会同様,立花先生が卒業生の藤田啓くんの研究成果を発表しました.

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私は3日目のポスターセッションで発表しました.
成層圏の極夜ジェットが初冬に季節進行が停滞する,という内容で初めてお見かけする方(おそらく気象学の専門家ではない)にも聞いていただけました.
話の論理の矛盾を指摘されたり,極夜ジェットの季節進行をどう分かりやすく説明するのか,など課題を見つけることができました.

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海洋学会秋季大会 in 鹿児島

9/12~15に鹿児島大学郡元キャンパスで開催された海洋学会2016年度秋季大会に参加しました.

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中緯度大気海洋相互作用セッションがありました.
九大の川村隆一先生の招待講演から始まりました.
内容は日本付近の暖流が爆弾低気圧の発達に与える影響で,同学年の平田英隆くんの研究(Hirata et al. 2015; Hirata et al. 2016)の話もありました.
指導教員の立花先生も発表されました.卒業生の藤田啓くんの内容で低水温のオホーツク海がヤマセへ及ぼす遠隔影響についてでした.

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私は同セッションのポスターで発表しました.
久々に超音波風速計で直接観測した乱流フラックスの話題で,海洋学会でまだ話していない,直接観測と間接推定の差が夏季の海面加熱と関係しているかもしれないということを発表しました.
観測データは結論と整合的だけれどももう少し検証が必要だと指摘されました.
また,常に観測できる訳ではないのでこの結果を元に広く使用されている間接推定をどう改良するのか,考えなければいけないと感じました.

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学会の懇親会は期待通り充実したものでした.
鹿児島大の弦楽部の方が親しみやすい曲を演奏されていて和やかな雰囲気になりました.
地元の料理もいくつかありました.一番人気はやはり焼酎コーナーでした. 鶏飯は食べることができましたが,他はあっという間に売り切れでした.

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鹿児島ラーメンのお店はたくさんありますが,鹿児島出身の方に教えていただいた「ざぼんラーメン」と「豚とろラーメン」に行きました.どちらも見た目よりあっさりしており食べやすかったです.豚とろラーメンは学割がありました.
また,市内に温泉があり朝から温泉に入って学会に行くという贅沢な日々を過ごしました.

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ホテルは天文館エリアでしたが,山側で落ち着いたところでした.鹿児島中央駅や鹿児島大郡元キャンパスへは路面電車やバスがありますが,徒歩でも30分かからないくらいで到着できるので散歩がてら歩きました.

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新青丸KS16-13航海

9/4?8にJAMSTEC研究船「新青丸」でのバイオロギング観測航海(KS16-13)に参加しました.

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バイオロギングとは,野生生物に小型センサを取り付けてその行動を計測するものです.今回の航海では海鳥(オオミズナギドリ)に小型センサを取り付け,飛行記録から海上風速・風向を推定する方法(Yonehara et al. 2016,プレスリリースはこちら)の精度検証を行うことが目的でした.


このセンサは海上風,海面気圧,気温,波浪,表層流が計測でき,この精度を検証するため,通常の気象・海洋観測も行うことが計画されました.その一つにラジオゾンデ観測があり,その観測要員として三重大から私とM2の後輩の2人が乗船しました.

 

8/12(金):事前準備
JAMSTEC横須賀本部に寄港した新青丸にヘリウムボンベを積み込みました.
その後,ラジオゾンデコンテナの動作確認を行いました.
初めて自動放球装置を見ましたが,勢いよく放球筒が開くので,周囲に人がいないことを確認してから作動させないといけないと思いました.

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9/3(土):0日目
出港地の青森に向かいました.
時間があったので三内丸山遺跡青森県立美術館に行きました.
三内丸山遺跡は約5500~4000年前の縄文時代の集落跡で6本柱の大型掘立の建物跡が有名です.見学は無料でボランティアガイド付きで分かりやすく回ることができました.
三内丸山遺跡の隣には青森県立美術館がありました.展示室入口のホールに展示されているシャガールの巨大な絵に圧倒されました.地元出身の棟方志功奈良美智の作品も多く展示されておりじっくり鑑賞できました.

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9/4(日):1日目
10時頃に新青丸に乗船しました.乗船人数は44名と三重大練習船「勢水丸」と同じですが,室内がゆったりとした構造になっていました.各部屋にテレビ,冷蔵庫,エアコン,空気清浄機が備え付けられているおり快適に過ごせそうでした.
ただ,エンジントラブルのため6日まで出港できないことが決まっていたため,食事は市内で食べることにしました.昼は青森名物の味噌カレー牛乳ラーメン,夜は研究者同士の親睦を深めました.

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9/5(月):2日目
朝食は船で初めての食事でした.ご飯と味噌汁は自分で盛り付けますが,それ以外は準備されていました.勢水丸だと自分たちで準備しなければいけないのでだいぶ楽でした.
昼は具材を自分で選べる海鮮丼を食べました.
新青丸はインターネットも使えますが速度が遅すぎるので,日中は市内の電源&ネットが使えるカフェでを研究の解析を進めました.

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9/6(火):3日目
午前は観測に使うドローンの飛行テストを行いました.初めて間近でドローンを見ましたが安定して飛行していました.ドローン備え付けの4Kビデオカメラは鮮明な映像で周囲を録画していました.強風だと制御不能になってしまうので海上で使う場合は,制約が多いですが好きな位置・高度で計測ができるのは魅力でした.
夜は船で初めての夕食を食べました.揚げ物がたくさんありボリューム満点でした.量は多くないですが品数が多いので見た目で満腹になりそうでした.
トラブルの調査に時間がかかっているようで,8日まで出港延期となりました.

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9/7(水):4日目
この航海自体が中止になりそうだったので,午前は一部の観測機器の片付けを行いました.

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9/8(木):5日目
出港しないことがほぼ確実だったため,三重大組は下船し帰路につきました.

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ところが翌日になり急に出港ができることになり,9/10(土)の午前8時に出港したそうです.
経緯はよく分かりませんが,その後の観測はほぼ計画通りに行われたとのことで良かったです.
バイオロギングやドローン観測など挑戦的な観測が盛りだくさんで楽しみだったので,また機会があれば乗船したいと思いました.

三重大練習船「勢水丸」の気象測器見学会

10/10に日本気象予報士会東海支部が主催する三重大練習船「勢水丸」の気象測器見学会で気象測器の説明を行いました.

まず内田誠船長と気象予報士会東海支部長から挨拶がありました.

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それから中村二等航海士が勢水丸の設備の説明を行いました.
勢水丸は進水当時の2011年には最新の設備でありCO2を多く排出しない電気推進を用いて運航する船としてシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞しました.電気推進だと振動や騒音が少なく,居住スペースも確保しやすいという利点があるため現在多くの船で採用されています.

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その後船内見学が行われました.
操舵室の船の運航に関わる様々な機器の説明を航海士の方,気象・海洋観測機器の説明を私と研究室の後輩の松本くんで分担しました.
最上階のコンパスデッキに設置された,気温計,湿度計,日射計,視程計の他,前方マストに設置された超音波風速計(常設された船は国内では勢水丸だけ)の説明も行いました.

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最後に室内に戻り,私が超音波風速計の測定原理とこのデータを用いた研究の紹介,松本くんがラジオゾンデ観測の概要を説明しました.

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気象学を学ぶ方々だけあって専門的で今まであまり聞いたことのない質問もあり,こちらも勉強になりました.
陸上と比べ海上の気象観測は多くないですが,地球の表面積は陸より海の方が圧倒的に大きいので海上での気象観測は重要です.一般の方々にその一端を説明させていただく良い機会でした.

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気象学会中部支部研究集会 in 名古屋

11/27-28に名古屋地方気象台日本気象学会中部支部研究集会が開催されました.

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24年間名古屋に住んでいますが名古屋地方気象台を訪れたのは初めてでした.近いからいつでも行けると思うと逆になかなか行く機会がなかったので良い機会でした.名古屋の天気はここが基準となっているのでその場所をじっくり見学できたのは気象学を携わる者として有意義なものでした.

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我が研究室からはB4やM2が発表を行いました.通常の気象学会とは異なり発表時間が長いので,研究背景からしっかり伝えることができ質問も多くもらって今後の研究の励みになっているようでした.
他大学の学部生の発表もなかなかレベルが高いもので興味深く聞かせてもらいました.
学部生の発表は研究動機や解析方法がシンプルなので聞きやすいですが,その中に思わぬ「宝」が含まれていることも多いので面白いです.
また発表方法も基本的な発表の流れに沿っているので分かりやすいことが多いです.
シンプルで基本に忠実な学部生の発表に大いに刺激を受けた2日間でした.

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