大気と海のフロンティア

気象学の研究を行っている大学院生が様々な「フロンティア」に進むためのブログ

気象学会 in 福岡

10/28-31に福岡国際会議場で開催された気象学会2019年度秋季大会に参加しました.

Ando et al. 2015の続きの内容である,日本の気温の周辺の海水温との関係について発表しました.
気象学会でのポスター発表は3年ぶりでした.

この研究の新しい点は大規模な大気循環の影響を除去して統計的に周辺の海水温が日本の気温に与える影響を見たことにありますが,この手法が適切なのかが議論の中心でした.
今得られている結果では大気循環の影響が残っていることを示唆するものとなっているため,どのようにしたらいいかいくつか助言を頂きました.
また,ローカルな気温分布に対してEOF解析を行うと物理的なメカニズムを無視して無理に直交モードを抽出するため,「見かけ」のモードが出てきているのではないか,という指摘もありました.
まだ不十分なところが多いのでまだ解析が必要だと感じました.

気象学会のポスター発表時間は参加者が多い割に1時間と短い(その後1時間の昼休みがあるので実質2時間だが)ので,もっと議論したかったと感じました.

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大会2日目はHoskinsさんの特別講義「The Dynamics of Hadley Cells」と3日目午前はそれに関連した英語の講義がありました.
HoskinsさんはHoskins and Ambrizzi 1993などで知りました.
国内にいながらこのような話を聞ける貴重な機会で非常に面白かったです
内容は大気力学の専門的な話もあったので全て理解できたわけではないですが,部分的には分かった気になりました.

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大会3日目の夜には気候形成・変動機構研究連絡会第1回 KickOff会合にも参加しました.
植田先生の発表は梅雨前線に関する盛りだくさんの集中講義のような内容で大変勉強になりました.
「気候値の季節進行」という私が研究している内容とも関連しており,年々変動からの偏差以外にも見る必要がある,とおっしゃっていたのは自分と似た考えで心強く感じました.
前田さんの発表は大気力学の話でしたが,面白そうにお話しになるので難しい内容だけれどもっと勉強したり研究したいと思いました.

Webページに講演資料の一部もアップロードされていますので興味のある方はぜひご覧下さい.

気象学会参加は2年ぶりでしたが,今までとは違う催し物もあって新鮮でした.

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海洋学会 in 富山

09/26-28に富山国際会議場で開催された海洋学会2019年度秋季大会に参加しました.
海洋学会参加は3年ぶりでした.

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「中緯度海洋の果たす役割」セッションでポスター発表しました.
話としてはまとまっているが,
・この分野の一般的な研究背景(先行研究で研究されていること,されていないことの区別)
・論文としてまとめるにあたり必要なこと
・今後の発展としてどの方向を目指すのか
という意見が多かったです.
この話も早く論文にまとめなければいけないので,解析はいくらでもできるけれどどこかで区切りを付けてまとめる作業が必要だと改めて感じました.
90分と比較的短い時間で気象学の発表は少なかったこともあり,知り合いの方が次々いらっしゃってあれこれ議論でき,休む間もなく終わりました.

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「海洋と大気の力学」セッションでは気象学会でお馴染みの方々の発表もありました.
気象学が専門でない方向けに基礎的な背景を丁寧に説明されていて分かりやすかったです.

 

立花先生も口頭発表(私も共著者)されていました.
後で知り合いの方から,「発表は分かりやすくて面白い話だったけれど,あの内容は気象学ではよくある考え方なのだろうか」,という質問を受けました.
その方は細かい解析がないのでそれでも大丈夫なのか気にしているようでしたが,速報論文としてこのように考えてもおかしくはない,というくらいでいいのではないかと思います.

 

海洋学会の懇親会は何度か参加していますが,今回は野外という初めての経験でした.
照明が少なく暗かったので人の顔が見にくかったのは残念でしたが,たまにはこのようなものもあっても良いかと思いました.
懐かしい方々とお会いできたので良かったです.

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JpGU2019 in 幕張

05/30に幕張メッセで開催されたJpGU(日本地球惑星科学連合)2019年大会で発表しました.JpGUは毎年開催されていますが,7年前に聴講のみで参加しただけで,今回が初めての発表でした.

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大気水圏科学複合領域のA-CG37「北極域の科学」セッションでポスター発表しました.
パワポスライドをA3の紙に印刷するいつもの方法を使いました.
この方法だと重ねて貼ることができるので予備スライドも掲示できる利点があります.

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90分の発表時間が昼過ぎと夕方の2回ありましたが,その間にも聞きに来た方がいらっしゃったので,5時間近くポスターの前で発表しました.
3人ひとまとまりの板で私は端の位置でした.隣は共著者の方,その隣は私が共著者になっている研究室の後輩の発表で,身内のまとまりだったのでこの辺りに来る方は顔なじみの方々が多かったです.
場所が広く発表時間も長いので一人一人の方とじっくり議論できるのが良かったです.
また,気象学会ではあまり見かけない方も聞きに来て下さって,いつもとは違う視点で議論できたのは大きな成果でした.
特に成層圏の物質循環の専門家の方に興味をもっていただいたのが嬉しかったです.
成層圏突然昇温が発生すると物質循環が変わることは晩冬に関しては研究されているが,私が対象としている初冬のものはそもそも現象として注目されていなかったので,物質循環の観点からも研究する価値があるそうです.
この内容の一部は論文として出版されていますが,成層圏の力学の専門家の方以外にも知って頂きたかったので,物質循環も扱っている論文に投稿しました.
その狙いに近い状態になったので,様々な分野の方が参加されるJpGUで発表して良かったです.

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他の分野の方にも聞いて頂けたのはJpGUならではだったと思います.
逆に言えば他分野の方にも分かるような説明をしなければいけないので,研究背景や力学方程式などの基礎知識はかみ砕いて説明する必要があり,そのためにはしっかりとした事前準備が必要でした.
話の流れはシンプルなので説明はしやすかったですが,なぜ面白い現象に着目したのはいいけれど,この研究が学術的になぜ重要なのか,という説明が弱いと感じました.
この指摘は前から言われていたので簡潔に説明したつもりですが,まだ足りないようなのでもう一度よく考える必要があると反省しました.

 

このセッションでは立花先生も発表されていました.この内容の一部は論文として出版されています.論文はこちらプレス発表資料)(補足資料)(三重大Rナビ

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夜は身近な方々と親睦を深めました.

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SPARC2018 in 京都

10/04に京都市勧業館みやこめっせで開催されたSPARC (Stratosphere-troposphere Processes And their Role in Climate) General Assembly 2018にてポスター発表しました.

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私が発表したセッションはRole of Atmospheric Dynamics for Climate Variability and Changeというテーマの中のPolar vortex variations and the Brewer-Dobson circulationで,成層圏の大気循環が主なテーマでした.
久々の英語発表で緊張しましたが,話のストーリーが簡潔なのでシンプルな英語で話しやすかったです.国内での開催なので日本人の方が多かったですが,海外の方も何人か聞きに来て頂けました.受理された論文の宣伝にはなったかと思います.

 

私がよく参加する気象学会や海洋学会とは異なり,ポスターと口頭発表の会場が同じ場所で同時に複数の発表がない形式だったので,落ち着いてポスター・口頭発表ともに聞くことができました.

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東大訪問

9/12に東大先端研を訪問しました.

7月の北大訪問と同様,博士論文の外部審査員である中村尚さんと研究議論するためでした.

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まず中村研の宮坂貴文さんと研究議論を行いました.かなり細かい点まで指摘して頂いて,自分が今まであまり考えていなかった視点でみるなど新しい気づきがありました.

その後,中村尚さんや研究室の研究員・学生の方の前でセミナー形式で発表を行いました.
予備審査に近い形なので批判的な意見もあり,それにしっかりと答える準備をしなければいけないと思いました.

ただ,博士論文としての議論の詰めが甘かったり,個々の内容は面白いけれどそれらを1つの論文としてまとめきれていない,など厳しい意見をいただいたので,改善点が多いと感じました.

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